色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年

珍しく「こちら側」に軸足を置いて書ききってある物語。
「あちら側」と「こちら側」とをいったりきたりがこれまでの作品のダイナミズムだったので、今作ではかなりの誤解が生じてる模様。

”デビュー以降の歩みを振り返り、「人と人のつながりに強い関心を持つようになった」と現在の心境の変化を告白した”(日経新聞より)


なるほど「あちら側」での他者との関係性を「こちら側」で書き切ってあったとしても、そこは多分ほとんどまだまだ世間の常識が追いつくのに時間がかかるのだろうか。


それとも瞬時に理解できてしまう位の進化をここ数年で人類は一気に果たすのか。


僕の興味はそこ一点のみ、なのだけど